抜歯は怖い、本当に必要なの?患者の不安を医者にぶつけてみた

doctor 医者に聞く矯正話
MISS矯正・トミモ
MISS矯正・トミモ

ブラケットで一応並べてたのだけど「やっぱり抜歯しよう」って突然決まった。こわいこわすぎる。


明日、抜歯することになったトミモです。抜歯への恐怖と質問を、担当の矯正医ではないお医者さんに聞いてみようという企画です。大阪にて伊東くりにっくをされている伊東信久先生(形成外科専門医)にご協力いただきました。

 

MISS矯正・トミモ
MISS矯正・トミモ

単刀直入に聞きますが、抜歯怖いんですが、必要なのですか?

Dr.
Dr. ITO

矯正が始まってから予想していたよりも矯正の結果を出そうとすればスペースが足らなくなってるきたのだと思います。おそらく抜歯なしで矯正はうまくいかないと判断したのでしょう。そう言う意味では必要なのでしょうが患者さんにとっては抜歯は手術に次ぐ不安なもの。矯正開始前に説明があっても良かったと思いますし、現時点の不安を解消するための懇切丁寧な説明が望まれますね。

MISS矯正・トミモ
MISS矯正・トミモ

患者さんが次々来ていて、丁寧な説明を求めるのは患者からは難しい部分もあるんですよねー^^; 私の担当の矯正医も初めから「床矯正で広がらなかったら抜くよ。あなたは際どいかんじ」とは言ってはったんですがねーやはり抜くとなると不安です。

レントゲンでは、抜歯必要ないかもと言われ直接噛み合わせを見ると必要かもだから様子見したいと言われていたんですが…。それって、歯の上の筋肉とかの影響なのでしょうか?

 

Dr.
Dr. ITO

トミモさんの専門の芸術に例えると固いマネキンの上に粘土で作品を作るようなもの。マネキンの骨格の上に粘土をつけて初めて作品となるとしたらマネキンの骨格が完璧でも粘土をつけたときにイメージ通りの作品にしょうとしたらマネキンの変更が必要なのです。噛み合わせや解剖学的に問題なくても審美的つまり見た目の矯正も含めて考慮すると上手くいかないと判断したのでしょう。

MISS矯正・トミモ
MISS矯正・トミモ

うーむ、審美ってだれから見てって感じでなかなか難しいですよね。抜歯したら顔が痩せこけて老けて見えたりしないのでしょうか?

Dr.
Dr. ITO

歯間のスペースがあればそれが老けて見える場合がありますが概して痩せれば老けて見えるという議論は必ず出ますが、痩せたぶん皺が増えるという理屈を除けば痩せたからといって必ず老けるとは限りません。咬筋にボトックスをうつ小顔矯正でもそのリスクは議論になります。

 

MISS矯正・トミモ
MISS矯正・トミモ

実は歯列矯正を始める1年前に高須克弥先生のツイッターで、「歯の噛み締めは、ボトックスでましになる」みたいなのを読んで、一度ボトックスしたんですよ!自分としては頬周りが細くなって久しぶりに会う人に「痩(こ)けたね」なんて言われてショックでした。確かに噛み締めはマシになって顎が楽になりましたけど)^o^(

 

そういえば海外の矯正では、あまり抜歯しないってインターネットに書いてたんですけど、日本で抜歯するのは大人矯正だからでしょうか?

Dr.
Dr. ITO

その通りで大人の矯正は骨格の成長が止まっているから骨を切るか抜歯しないとイメージ通りになりにくい理由ともう一点は大人の矯正場合後戻りが最大の課題なのでスペースを持たし緊張を緩めるために抜歯するのでしょう。海外の症例はデータを見ていないので真実はわかりませんが医療費の制度も海外の患者と日本は骨格も違うので一概に比較出来ないと思います。

MISS矯正・トミモ
MISS矯正・トミモ

ちなみに、私はイギリス人と日本人のいわゆるハーフ(ミックス・混血)なんですが、骨格もミックスされるのでしょうか???笑

Dr.
Dr. ITO

遺伝子には多様性がありハーフでひとくくりには出来ません。日本人もルーツは多種の民族が混じっていますし、欧米人もしかりです。したがってハーフのかたは先天的な要因よりも後天的な要因の影響も大きいと思います。すなわち住んでいる要因や生活環境の影響も考慮すべきです。ただハーフの患者さんを解剖学的にどちかにカテゴライズするのも学術的に面白そうですね。

MISS矯正・トミモ
MISS矯正・トミモ

たしかに一括りにはできませんね〜。歯は、毎日使う言語とか食べ物とかでも変わりそうですね。

話を不安に戻すと、手術を伴う治療ってどんなものもそうだと思うんですが、患者にとっては、人生の一大事で初めてのことでわからないことだらけ、それに今はインターネットでいろいろ簡単に調べられるから症例が違う人のを読んで不安になったりしちゃいます。

Dr.
Dr. ITO

情報過多の時代だからこそ、その情報を整理するスキルがこれからの医師・歯科医師には必要です。患者の質問に対して根気良く説明出来る性格も医師・歯科医師の適切です。患者さんには聞く権利があり、医師・歯科医師は答える義務があります。医療はサービス業です。

MISS矯正・トミモ
MISS矯正・トミモ

私(患者)は、自分の歯の話なのに、知識がなく治療計画を具体的に理解できないに違いないと思い込んでいる節があって、あまりよくわからなくて言いなりになってしまっている気がしています。

 

Dr.
Dr. ITO

私たち医師は同じような症例を例えば私などは1万症例以上見ていますのである程度の予想もつけば治療法に対しての自信もあります。しかしお一人お一人の患者さんにとっては初めての経験であり不安があって当然です。私たち医師、歯科医師は常にこのことをわすれてはいけません。医療界全体の課題だと思います。We can not be too careful taking care for the patients. です。なので、思っている以上に丁寧な説明を心がけておりますし、しつこく聞いて大丈夫ですよ

MISS矯正・トミモ
MISS矯正・トミモ

そう言っていただけると、聞きやすいです。しつこい患者になろうと思います(笑)。今更ですが医者も歯を勉強するのですか?なぜ、歯医者とは分かれているのでしょう?

Dr.
Dr. ITO

どちらも6年性の大学を卒業し、解剖学を始め基礎医学では共通する部分はありますが、臨床においては歯科医師は専門性が高くカリキュラムも国家試験も分かれています。歯科医の資格を取った後、医学部に入学し口腔外科になるダブルライセンスの医師もいます。

MISS矯正・トミモ
MISS矯正・トミモ

最後に先生が専門医をお持ちの形成外科とはなんですか?

Dr.
Dr. ITO

形成外科は目で見て診断できる分野を治療する比較的新しい分野です。11分野を扱います。具体的には、外見の先天異常、顔面の骨折、皮膚の良性腫瘍、皮膚の悪性腫瘍、手の外科、熱傷、褥瘡、美容外科、瘢痕修正、再建、その他です。口腔外科とも重なる部分があったり、顔面の骨折や先天異常では矯正歯科とチームを組んだりします

MISS矯正・トミモ
MISS矯正・トミモ

矯正歯科ともチームで治療されるんですね。先生とお話ししていて、抜歯する勇気がでてきました。ありがとうございました。

 

担当の矯正医じゃないからこそ、ざっくばらんに聞きたいことを聞けて不安が取り除かれました。伊東先生には貴重なお時間いただき感謝しております。とはいいつつも、親知らずでも痛んでいる歯でもない歯を抜くのは恐怖しかありません。今日は一日中、この歯は、私として乳歯から永久歯になるときに生まれたのだが、私の一部でなくなる日がくるんだなとセンチメンタルになってました。

ここで質問です。さてどの歯が抜かれるのでしょうか?

抜歯される歯

抜歯される歯はどれだ?

抜歯される歯

抜歯される歯はどれだ?アップ

抜歯される歯

抜歯前の思い出撮影

正解は器具の取り外されている上の歯右D4と左D4です。

抜歯される歯

抜歯される歯

 

それでは、明日頑張ります。

 

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